1 事故発生

30代の男性が、自動車同士の出合い頭事故により、頚椎圧迫骨折、急性硬膜外血腫、脳挫傷などの傷害を負いました。

2 相談・依頼のきっかけ

頚椎圧迫骨折後の脊柱の変形で11級7号、頭部受傷後の脳挫傷痕の残存で12級13号、併合10級の後遺障害等級の認定を受けたあと、「保険会社から示談の提示があったが、適正な金額かどうかを知りたい」とのことで、ご相談いただきました。
当事務所の弁護士が「金額が低すぎると思う。
弁護士が介入することで増額が望める」とご説明させていただいたところ、対応をご依頼いただくこととなりました。

3 当事務所の活動

当事務所の弁護士は、裁判基準での賠償額を算定したうえ、保険会社宛てに請求の通知書を出しました。
これに対し、保険会社にも弁護士が付いて、後遺障害逸失利益をほとんど認めないという回答をしてきました。
当事務所の弁護士は、このままでは埒が明かないと判断し、交通事故紛争処理センターの和解あっ旋の手続を利用することを選択して、裁判基準での賠償金を獲得すべく、手続に臨みました。

4 当事務所が関与した結果

和解あっ旋の手続においても、保険会社の弁護士は後遺障害逸失利益を強硬に争ってきましたが、当事務所の弁護士も一歩も引かず、最終的に交通事故紛争処理センターの裁定で賠償額が決せられました。
裁定では、ほぼこちらの主張するとおりの損害額が認容されました。
結果、提示額565万円から546万円増額となる1111万円の獲得となりました。

主な損害項目 保険会社の提示 当事務所介入後の結果
傷害慰謝料 160万円 229万円
後遺障害逸失利益 合わせて
461万円
913万円
後遺障害慰謝料 550万円

※いずれも、裁判基準での金額を獲得しています。
※弁護士介入後の結果の各金額を合計すると1111万円を超えますが、他の損害項目・25%の過失相殺・保険会社からの既払い額もあるため、矛盾はありません。なお、過失割合についても、保険会社の弁護士は40%と主張してきましたが、15%の切り下げに成功しています。

【獲得額に関するご注意】
解決事例のご紹介においては、獲得額(獲得合計額)を記載させていただいておりますが、保険会社から医療機関に対して直接支払われる治療費等を含めない金額となっております。
他の事務所のサイトでは、こうした治療費等についても獲得額に含めて、金額を大きく見せている例が散見されます。
しかし、こうした治療費等はお客様の手元に残るものではなく、サイトを閲覧する方に誤解を与えかねないという点で、不適切な表記であると考えております。
そこで、当事務所では、お客様の手元に支払われる金額を獲得額として記載させていただいております。

5 解決のポイント(雑感)

本件では、後遺障害12級13号が認定された頭部受傷後の脳挫傷痕の残存にはほとんど症状がなく、症状のほとんどは後遺障害11級7号が認定された頚椎圧迫骨折後の脊柱の変形による頚部痛や軽度の頚部運動障害でした。
そうすると、後遺障害逸失利益は、脊柱の変形によるものとして主張していくことになるのですが、圧迫骨折後の脊柱の変形による後遺障害11級7号の逸失利益について、保険会社はほとんど認めないという姿勢に出ることがあります。
しかし、こうした保険会社の主張は、裁判所ではほとんど認められないのであり、交通事故に精通した弁護士がしっかりと争っていく必要があります。
保険会社のおかしな主張に惑わされてはいけません。

また、本件は、交通事故紛争処理センターの和解あっ旋の手続を利用して解決しました。
和解あっ旋の手続は、青森県では利用できず、直近では仙台市となります。
遠方のため、使い勝手はよくありませんが、弁護士費用特約が利用できる場合には、交通費や日当の心配をしなくてよいため、利用することでスムーズな解決が期待できるケースもあります。
当事務所では、訴訟による解決を重視しつつ、様々な手続を利用した適正かつ迅速な解決を模索しています。

6 お客様の声

分かりやすい説明、早い対応だったので満足しています。
またお願いする事がありましたら宜しくお願いします。

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