知り合った方々とお話ししていると、たまに「弁護士って、六法全書を全部暗記してるんですか?」というご質問をいただくことがあります。

結論から言うと、私は全部は暗記していませんし、ほかのどの弁護士も同じです。分厚い六法全書に収録された膨大な内容をすべて丸暗記するというのは、気が遠くなるような話であって、まず不可能なことです。ちなみに、平成24年10月1日の時点で日本に憲法以外の法律は1880件あり、これに政令、条例、規則などの諸法令を加えると、莫大な数に膨れあがります。そして、各法律や諸法令には複数の条文があるのが通常ですから、トータルの条文数ではおそろしい数字になります。さらに、毎年毎年、新しい法律や法令が生まれ、既存のものが改正されたり、廃止されたりしているのです。分厚い六法全書にすら、日本に存在するすべての法律・法令が収録されているわけではありません。

「六法」という言葉は、こうした膨大な数の法律のうち、最も基本的かつ重要な憲法、民法、刑法、商法、民事訴訟法、刑事訴訟法という6つの法律のことを指します。六法全書には、この六法のほか、厳選された重要な法律・法令が収録されています。弁護士になるために通過しなければならない司法試験では、これら6つの法律を中心に、その他ごく一部の重要な法律に関する理解を問われます。そして、それ以外の法律・法令については、司法試験の対象となる法律の応用であると考えられており、司法試験ではあらゆる法律を駆使して仕事をする法律家としての基本的素養が問われるのです。

司法試験の対象となる法律だけに限って言っても、丸暗記はまず不可能な量です。対象となる法律の基本的かつ重要な項目については暗記が必要なのはもちろんですが、それよりも法的な考え方を理解して、個々のケースに応じて法律を適切に使いこなす能力こそが問われます。ですので、司法試験を通過した弁護士であるからと言って、法律の条文をすべて暗記したというわけではないのです。

このように、私たち弁護士は、すべての法律・法令を知っている、覚えているというわけではありません。毎年制定、改正、廃止される法律・法令については、重要なものについては勉強しますが、莫大な数を全件追うことはとてもできません。そして、業務においては、少しでも不安な法律事項があれば、自分の記憶・暗記を過信することなく、必ず六法全書や書籍を見て確認します。さらに、よく知らない法律にぶつかったときは、身に付けた法律の基本的素養をもとに、案件ごとに向き合っていくのです。

(弁護士・木村哲也)

当事務所の弁護士が書いたコラムです。ぜひご覧下さい。

No 年月日 コラム
1 2013年9月8日 相談料・着手金は無料です。(弁護士・木村哲也)
2 2013年10月15日 弁護士費用特約は付いていますか?(弁護士・木村哲也)
3 2013年12月8日 刑事記録の取得①(弁護士・木村哲也)
4 2014年2月4日 刑事記録の取得②(弁護士・木村哲也)
5 2014年3月13日 刑事記録の取得③(弁護士・木村哲也)
6 2014年4月21日 弁護士って、六法全書を暗記してるんですか?(弁護士・木村哲也)
7 2014年8月6日 交通事故110番様による高次脳機能障害の実務講座を受講しました。(弁護士・木村哲也)
8 2014年9月2日 損害保険各社が、自動車保険に限り、暴力団関係者との契約を容認する方針を固めました。(弁護士・木村哲也)
9 2014年10月8日 先生の専門分野は何ですか?(弁護士・木村哲也)
10 2014年10月22日 兵庫県で自転車の保険加入義務化の条例案(弁護士・木村哲也)
11 2014年11月4日 八戸シティ法律事務所が設立5周年を迎えました。(弁護士・木村哲也)
12 2014年11月28日 船井総研の法律事務所経営研究会で新人賞を受賞しました。(弁護士・木村哲也)
13 2015年1月23日 仕事で使うツール①赤い本(弁護士・木村哲也)
14 2015年1月23日 仕事で使うツール②青い本(弁護士・木村哲也)
15 2015年1月23日 仕事で使うツール③別冊判例タイムズ38(弁護士・木村哲也)
16 2015年2月16日 交通事故110番様の実務講座を事務職員と受講しました。(弁護士・木村哲也)
17 2015年3月24日 日本交通法学会の人身賠償補償研究会に出席しました。(弁護士・木村哲也)
18 2015年3月31日 事務所のメンバー全員で合宿を行いました。(弁護士・木村哲也)
19 2015年4月14日 医療画像鑑定セミナーを受講してきました。(弁護士・山口龍介)
20 2015年4月20日 船井総研の第1回・後遺障害認定実務講座を受講しました。(弁護士・木村哲也)
21 2015年5月14日 蕪島海岸の清掃活動に参加しました。(弁護士・木村哲也)
22 2015年5月26日 弟の結婚式でハワイに行ってきました。(弁護士・木村哲也)
23 2015年5月27日 日本交通法学会の定期総会に出席しました。(弁護士・木村哲也)
24 2015年5月29日 物損事故の取扱件数が増えています。(弁護士・木村哲也)
25 2015年6月2日 交通事故被害者のご親族の方によるご相談について(弁護士・木村哲也)
26 2015年6月5日 状況によっては出張相談もいたします。(弁護士・木村哲也)
27 2015年6月9日 当事務所では、弁護士がお客様と面談してお話しすることを重視しています。(弁護士・木村哲也)
28 2015年6月12日 事故現場の検証(弁護士・木村哲也)
29 2015年6月16日 八食センターに生牡蠣を食べに行くことがたまにあります。(弁護士・木村哲也)
30 2015年6月19日 交通事故と成年後見(弁護士・木村哲也)
31 2015年6月23日 民事訴訟における和解(弁護士・木村哲也)
32 2015年6月26日 出張について(弁護士・木村哲也)
33 2015年6月30日 交通事故以外の損害賠償案件について(弁護士・木村哲也)
34 2015年8月17日 事務所のメンバーで上半期の打ち上げをしました。(弁護士・木村哲也)
35 2015年10月27日 船井総研の第2回・後遺障害認定実務講座を受講してきました。(弁護士・山口龍介)
36 2016年1月5日 2015年の交通事故死亡者数が15年ぶりに増加(弁護士・木村哲也)
37 2016年2月1日 むちうちについて(弁護士・木村哲也)
38 2016年2月23日 交通事故と自由診療・健康保険について(弁護士・山口龍介)
39 2016年3月29日 事務所合宿を行いました。(弁護士・木村哲也)
40 2016年5月19日 国会で継続審議中の民法の大改正で、損害賠償額が大幅に増額される見込みが出てきました。(弁護士・山口龍介)
41 2016年5月30日 船井総研の第3回・後遺障害認定実務講座を受講しました。(弁護士・木村哲也)
42 2016年8月3日 八戸市で交通事故の多い交差点ランキング(弁護士・山口龍介)
43 2016年8月9日 交通事故110番様の第8回実務講座を受講しました(弁護士・木村哲也)
44 2016年9月23日 和歌山の両親が八戸に遊びに来ました。(弁護士・木村哲也)
45 2016年10月4日 死亡事故について(弁護士・木村哲也)
46 2016年11月7日 船井総研の第4回・後遺障害認定実務講座を受講しました。(弁護士・木村哲也)
47 2017年3月21日 日本交通法学会・人身賠償補償研究会に出席してきました。(弁護士・木村哲也)
48 2017年4月7日 事務職員の制服を導入しました。(弁護士・木村哲也)
49 2017年5月18日 日本交通法学会の自動運転車に関するシンポジウムに参加しました。(弁護士・木村哲也)
50 2017年5月22日 毎月1回、土曜日に交通事故無料相談会を開催しています。(弁護士・木村哲也)
51 2017年6月19日 交通事故紛争処理センターと日弁連交通事故相談センターのあっ旋手続の利用雑感(弁護士・木村哲也)
52 2017年7月31日 八戸三社大祭の時期が来ました。(弁護士・木村哲也)
53 2017年8月18日 青森高次脳機能障害家族会「あっぷるメイト」様について(弁護士・木村哲也)
54 2017年8月22日 弁護士合宿を実施しました。(弁護士・木村哲也)
55 2017年9月11日 交通事故110番様の第9回実務講座を受講しました(弁護士・山口龍介)
56 2017年11月9日 ヴァンラーレ八戸のサッカーの試合を観戦してきました。(弁護士・木村哲也)
57 2017年11月15日 船井総研の第6回・後遺障害認定実務講座を受講しました。(弁護士・三上大介)
58 2018年1月9日 一般道でのシートベルト後部座席着用率が青森県27.6%で東北最低との調査結果が報じられました。(弁護士・木村哲也)
59 2018年6月7日 整骨院への通院に関してご注意いただきたいこと(弁護士・木村哲也)
60 2018年6月14日 交通事故110番様の第10回実務講座を受講しました。(弁護士・三上大介)