当事務所では、交通事故の問題を他の弁護士に相談・依頼したものの、弁護士を変更したいと希望される方からのご相談をお受けすることが度々ございます。
このページでは、他の弁護士に相談・依頼したが弁護士を変えたい方向けに、弁護士を変更する手順や注意点などをご説明させていただきます。

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一旦相談・依頼した弁護士を途中で変えることはできるか?

一旦相談・依頼した弁護士を途中で変えることは可能です。

相談した弁護士の説明に納得できない、相談した弁護士とは相性が良くなさそうだ、別の弁護士の話も聞いてみたい、などとお考えになる方は数多くいらっしゃいます。
このとき、弁護士に相談をしたものの、まだ委任契約(依頼の契約)には至っていないという段階であれば、その弁護士に依頼しなければいけないというルールなどは全くないため、別の弁護士を探して相談することは当然可能です。

また、すでに弁護士と委任契約を締結し、依頼しているという場合であっても、いくつかの注意点などはありますが、弁護士を途中で変えることができます。
依頼後の弁護士の変更は、後任の弁護士が相談・依頼を受けることを了解するのであれば、いつでも可能です。
たとえ裁判の途中であっても、元の弁護士との委任契約を解消し、別の弁護士に依頼し直すことができます。
複数の弁護士が所属する法律事務所であれば、「同じ事務所のもっと経験のある弁護士に担当してもらいたい」などの要望に応じてもらえる可能性もあります。

一旦弁護士に相談した場合でも別の弁護士にも相談すべきケース

一旦弁護士に相談したものの、依頼には至っていないケースで、別の弁護士にも相談してみたいという方も多くいらっしゃいます。

弁護士の説明内容に納得できない、弁護士の経験・実績が少なそうなために依頼するには不安がある、弁護士に親身になって話を聞いてもらえなかった、弁護士と考え方や方針が合わないと感じる、などのケースでは、別の弁護士にもご相談いただくのがよいでしょう。

一旦相談した弁護士に疑問や不安を抱えたまま依頼することは、お勧めできません。
交通事故の問題を適切に解決するためには、依頼者と弁護士が十分なコミュニケーションをとり、考え方や方針を共有しながら手続を進めていくことが大切です。
また、依頼する弁護士の交通事故に関する知識・経験により、結果が大きく左右される事案もあります。
知識・経験が豊富な信頼できる弁護士にご依頼いただくことをお勧めいたします。

依頼中の弁護士の変更を検討すべきケース

以下のようなケースでは、依頼している弁護士の変更を検討した方がよいでしょう。

弁護士の対応が遅く、なかなか進展しない

弁護士に交通事故の問題を依頼した場合、加害者や保険会社とのやり取りなど、解決に向けた手続の対応のほとんどを弁護士が引き受けることとなります。

そのため、依頼した弁護士の対応が遅い場合には、なかなか進展せず、解決までに時間がかかってしまいます。
しばらく経っても進展・報告がない、状況を問い合わせても対応が進んでいない、何度連絡しても不在で折り返しの連絡もない、などのケースでは、不安に思われるのも無理がありません。

この点、例えば、加害者側の対応が遅いために時間がかかっているケースや、後遺障害等級認定申請の結果待ちには通常2~3か月程度(もっとかかることもあります)の時間を要するなど、弁護士が適切に対応していても一定の時間がかかる場合もあります。

そこで、依頼した弁護士の対応に不安がある場合には、まずはその弁護士・法律事務所に進捗状況をお問い合わせいただくのがよいでしょう。
そして、このような問い合わせをしても、なかなか返答してもらえないとか、説明に納得できないなどの場合には、弁護士の変更をご検討いただくのがよいでしょう。

弁護士との相性が悪く、信頼関係が維持できない

弁護士にも様々な性格の人がいますので、相性が合う・合わないがあります。

弁護士に対して言いたいことを言えない、言っていることや思っていることを理解してもらえない、弁護士と話すとストレスを感じてしまう、弁護士と考え方や方針が合わないなど、弁護士との相性が悪く、信頼関係の維持が困難なケースもあります。

交通事故の問題を適切に解決するためには、依頼者と弁護士とが十分なコミュニケーションをとり、事故・被害に関連する事情や解決に向けた方針などを共有しながら、示談交渉や裁判に臨むことが大切です。
そうしなければ、依頼者の希望とは異なる解決に進んでしまったり、示談交渉や裁判で十分な主張・請求ができなくなったりするおそれがあります。

交通事故の解決は、事案によっては、その後の生活・人生を左右し得るほどの重要な問題です。
一旦不適切な解決をしてしまうと後々取り返しがつきませんので、信頼できる弁護士にご依頼いただくことが大切です。
弁護士との委任契約は、弁護士との相性が悪く、信頼関係が維持できないという理由で解約することも可能ですので、不満がある場合には別の弁護士にご相談いただくのがよいでしょう。

交通事故の経験・実績が乏しい弁護士に依頼してしまった

弁護士が取扱可能な業務には、様々な分野のものがあります。
すべての弁護士が交通事故の問題に精通しているわけではありません。
そのため、交通事故の知識・経験が少ない弁護士に依頼してしまうというケースも起こり得ます。

依頼した弁護士に何を聞いても明確な答えが返されず、よく分からないままにされてしまうような場合には、その弁護士の交通事故の知識・経験が少ないことが疑われます。

交通事故の知識・経験が少ない弁護士に依頼した場合、技能的に問題があるために手続がスムーズに進まなかったり、適正額よりも少ない金額の賠償金しか得られなかったりするリスクがあります。
また、弁護士に頼りなさを感じる、弁護士の言っていることが二転三転する、などが原因で弁護士を信頼できないというケースもあるでしょう。

交通事故の問題を適切に解決するためには、交通事故の経験・実績が豊富な弁護士にご依頼いただくのがベストです。
依頼した弁護士の知識・経験に不安を感じる場合には、別の弁護士にセカンドオピニオンを求め、弁護士の変更をご検討いただくことをお勧めいたします。

依頼した弁護士に辞任されてしまった

依頼した弁護士が不祥事を起こして辞任されてしまった、依頼した弁護士と考え方や方針が合わず辞任を言い渡されてしまった、などのケースでは、弁護士を変更せざるを得ないでしょう。

別の弁護士にご相談される際には、弁護士を変更せざるを得なくなった状況をきちんと説明するようにしましょう。

一旦相談・依頼した弁護士とは別の弁護士に相談・依頼する際の手順

弁護士を変更する場合には、次のような手順を踏むとよいでしょう。

①新たな弁護士を探し、相談したうえで依頼することを決める

まずは新たな弁護士を探し、ご相談いただくこととなります。
依頼する弁護士は、交通事故の経験・実績が豊富な弁護士を選ぶのがよいでしょう。
交通事故に詳しい弁護士であるかどうかは、実際に弁護士にご相談に行かれたうえで、その弁護士の説明を受ける中で見極めていくこととなります。
抽象的な説明に終始するようであれば、交通事故の知識・経験に乏しい弁護士である可能性があります。

信頼できる弁護士を見付け、依頼することを決めた(弁護士も依頼を受けることを承諾した)場合には、次のステップに進みます。
すでに依頼している弁護士との委任契約(依頼の契約)を解消し、弁護士を変更する場合であれば、次の②以下の手順を進めていきます。

一方で、一旦相談した弁護士には相談をしただけで委任契約を締結していないという場合には、次の②以下の手順は必要ありません。
依頼すると決めた弁護士と委任契約を締結し、保険会社との連絡等もその弁護士にお任せいただけばよいでしょう。

②元の弁護士に変更・解任を伝えたうえで、委任契約を解約する

依頼している弁護士を変更・解任する場合には、元の弁護士にその旨を連絡するようにしましょう。
元の弁護士に弁護士の変更・解任の連絡をしたうえで、委任契約を解約しておかなければ、後任の弁護士との二重依頼の状態となり、トラブルを招くおそれがあるからです。

きちんと連絡さえすれば、ほとんどの弁護士は問題なく委任契約の解約に応じます。
また、元の弁護士を解任することだけでなく、他の弁護士に変えることもお伝えいただけば、後述する⑤弁護士同士の案件の引き継ぎがスムーズに行われることが期待できるでしょう。

そして、弁護士との委任契約を解約する際には、それまでに発生した弁護士費用の精算が必要となるのが通常です。
郵便代、印紙代、交通費などの実費がかかっていることが多く、元の弁護士に確認したうえで精算を行いましょう。
なお、弁護士費用特約を使用していれば、保険会社が弁護士費用の精算を行ってくれるのが通常です。

③加入している保険会社に弁護士の変更を伝える

依頼する弁護士を変更する際には、加入している自動車保険の保険会社にその旨を連絡する必要があります。

弁護士費用特約を使用している場合には、加入している保険会社に連絡をしないまま弁護士を変更すると、弁護士費用がスムーズに支払われないなどのトラブルが発生するおそれがあります。

また、過失割合が争われている場合には、弁護士の対応結果が加入している保険会社の立場(加害者側に対する賠償金の支払の要否など)に影響します。
さらに、後々人身傷害保険や車両保険を使用することとなった場合にも、加入している保険会社と弁護士との間で情報共有を行う必要があります。

以上のような観点から、加入している保険会社には、弁護士の変更を必ず伝えるようにしましょう。
なお、相手方の保険会社に対する連絡は、元の弁護士および後任の弁護士から行いますので、ご自身で連絡いただく必要はありません。

④新たな弁護士と委任契約を締結する

後任の弁護士との間で委任契約を締結し、事案の対応を進めてもらいます。

後任の弁護士から相手方の保険会社に依頼を受けた旨を通知することにより、今後の連絡・交渉窓口が新たな弁護士に切り替わります。

⑤弁護士同士で案件の引き継ぎを行ってもらう

元の弁護士が持っている資料などを後任の弁護士に引き継いでもらいます。

通常は、後任の弁護士から元の弁護士に連絡をし、引き継ぎを行う例が多いです。
あるいは、元の弁護士から依頼者に資料等が返還され、依頼者から後任の弁護士に資料などを預けるという対応になることもあります。

依頼中の弁護士を変更する場合の注意点

依頼中の弁護士を変更することは自由にできますが、以下のような注意点があります。

着手金は原則として返金されない

依頼者の都合で弁護士との委任契約(依頼の契約)を解約した場合には、すでに支払った着手金は戻ってこないのが原則です。

そして、新たな弁護士に依頼し直す際には、改めて着手金が発生するため、依頼中の弁護士を変更することにより、費用の負担が大きくなりやすいことには注意しましょう。
ただし、交通事故の依頼の着手金を無料としている事務所もあります。
当事務所では、弁護士費用特約がない場合、交通事故の依頼の着手金を無料とさせていただいております。

弁護士費用特約の限度額に注意する必要がある

弁護士費用特約が付いている場合、後任の弁護士の着手金や報酬金などの弁護士費用は、加入している自動車保険の保険会社が負担してくれます。
ただし、弁護士費用特約の限度額が多くの保険会社では300万円であることには注意する必要があります(弁護士費用特約の限度額を500万円とする保険会社もあります)。

例えば、元の弁護士に依頼した際に弁護士費用が30万円かかった場合、弁護士費用特約の限度額が300万円であれば、後任の弁護士への依頼で使える金額は270万円(300万円-30万円)となります。
重度の後遺障害の事案や死亡事故の場合には、弁護士費用が300万円や500万円を超えることがあり、その場合には、獲得した賠償金の中からの負担となる弁護士費用の額が増えることとなります。

弁護士を変更しても結果が良くなるとは限らない

依頼する弁護士を変更しても、結果が変わらないこともあります。

例えば、すでに成立した示談をやり直すことはできないのが原則ですし、証拠資料と矛盾する主張を通すことはどんなに有能な弁護士であっても困難です。

信頼できる弁護士であれば、事実関係と証拠資料を踏まえ、依頼者の希望を実現できるかどうかについて、法律相談の段階で丁寧に説明してくれるはずです。

元の弁護士の対応に納得ができない場合には、新たな弁護士の意見(セカンドオピニオン)をよくお聞きいただいたうえで、その説明に納得できる場合にのみ弁護士を変更されることをお勧めいたします。

交通事故を相談・依頼する弁護士の選び方

弁護士を変更する場合、新たに相談・依頼する弁護士を選ぶにあたっては、以下のようなポイントを重視するとよいでしょう。

交通事故を数多く取り扱っていること

交通事故を相談・依頼する弁護士を選ぶ際の第一のポイントは、交通事故の取扱経験・解決実績が豊富であることです。

交通事故において適正な後遺障害等級の認定を受け、示談交渉・訴訟により適正な金額の賠償金を獲得するためには、交通事故に特有の知識やノウハウが要求されます。
当然ながら、交通事故に関する知識と経験が豊富な弁護士に依頼した方が良い結果を得ることが期待できます。

後遺障害および傷病・医学に関する知識を持っていること

交通事故の問題には、損害賠償請求の交渉・裁判対応ノウハウや保険に関する知識のほかに、後遺障害および傷病・医学に関する知識が求められます。

後遺障害等級の認定手続においては、症状の内容・程度等から想定される等級を検討し、必要となる診断書の作成や検査の実施等について、適切に助言できなければなりません。
また、傷病・医学に関する知識は、保険会社との交渉や裁判の手続において活用することにより、獲得できる賠償金が大きく変わってくることがあります。

そのため、後遺障害および傷病・医学に関する知識を持っていることは、弁護士選びにおいて重要なポイントとなります。
当事務所では、これまでの交通事故の事案の取扱経験、および外部の研修等により後遺障害および傷病・医学に関する知識を蓄積しております。

説明がわかりやすいこと

依頼者と弁護士は、考え方や方針をお互いに共有し、信頼関係のもとに交通事故の問題の解決に向けて進めていくことが大切です。

依頼者と弁護士とのコミュニケーションは、適正な解決のための不可欠の要素であり、弁護士の説明が分かりやすいことも非常に重要なポイントです。
依頼者・相談者のことを親身に考えている弁護士であれば、交通事故や法律に関する難解な内容も、平易な言葉で分かりやすく説明してくれるはずです。

逆に、専門用語が多く説明が分かりづらい弁護士には注意が必要です。
このような弁護士は、依頼者・相談者のことをよく理解しようとせず、独善的に対応を進めていく傾向があるように考えられます。

弁護士と理解を共有しながら納得できる解決を目指すためには、弁護士の説明が分かりやすいかどうかという点にも着目いただくとよいでしょう。

じっくりと話を聞いてくれること

弁護士がじっくりと話を聞いてくれるかどうかという点も大切です。

弁護士が依頼者の要望や背景事情をよく把握し、保険会社との示談交渉や裁判の手続に臨むことにより、初めて最善の形での解決を目指すことができます。

弁護士があまり話を聞いてくれない、あるいは話しづらいということであれば、その弁護士とはあまり相性が良くないと考えられます。

安心して弁護士に依頼するためには、じっくり話を聞いてくれる弁護士を選ぶとよいでしょう。

交通事故の問題は当事務所にご相談ください

当事務所では、交通事故に関するご相談・ご依頼を多数取り扱っており、対応経験・解決実績が豊富にございます。
また、他の弁護士に相談・依頼したが弁護士を変えたいという方からのご相談・ご依頼も承っておりますので、安心してお気軽にご相談いただければと存じます。