交通事故による慰謝料は、交渉または裁判により増額できることが多いです。
このページでは、慰謝料増額のポイントについて、ご説明させていただきます。

【交通事故のご相談】
初回相談・着手金 0円
※弁護士費用特約がない場合

1 交通事故による慰謝料

交通事故による慰謝料には、傷害慰謝料(入通院慰謝料)、後遺障害慰謝料、死亡慰謝料の3つがあります。

(1)傷害慰謝料(入通院慰謝料)

入院・通院をした期間や回数により認められる慰謝料です。

(2)後遺障害慰謝料

後遺障害が残ったことにより認められる慰謝料です。
金額は後遺障害1級から14級までの等級認定によります。

(3)死亡慰謝料

お亡くなりになったことにより認められる慰謝料です。

2 慰謝料の3つの基準

慰謝料の算定基準には、自賠責基準、任意保険基準、裁判基準の3つがあります。

(1)自賠責基準

自賠責保険で定められた支払基準です。
3つの基準の中で最も低額となります。

【傷害慰謝料】
次の2つのうち、低い方の金額となります。
①4300円×治療期間
②4300円×{入院日数+(実通院日数×2)}
例えば、治療期間90日のうち、実際に通院したのが30日の場合(入院なし)、①4300円×90日=38万7000円、②4300円×{0日+(30日×2)}=25万8000円という計算結果になり、低い方の金額である②の25万8000円が採用されます。

【後遺障害慰謝料】
後遺障害の等級と被扶養者の有無により、14級の32万円~1級・要介護・被扶養者ありの1850万円です。

後遺障害等級 後遺障害慰謝料
1級・要介護・被扶養者あり 1850万円
1級・要介護・被扶養者なし 1650万円
2級・要介護・被扶養者あり 1373万円
2級・要介護・被扶養者なし 1203万円
1級・被扶養者あり 1350万円
1級・被扶養者なし 1150万円
2級・被扶養者あり 1168万円
2級・被扶養者なし 998万円
3級・被扶養者あり 1005万円
3級・被扶養者なし 861万円
4級 737万円
5級 618万円
6級 512万円
7級 419万円
8級 331万円
9級 249万円
10級 190万円
11級 136万円
12級 94万円
13級 57万円
14級 32万円
後遺障害等級 後遺障害慰謝料
1級・要介護・被扶養者あり 1850万円
1級・要介護・被扶養者なし 1650万円
2級・要介護・被扶養者あり 1373万円
2級・要介護・被扶養者なし 1203万円
1級・被扶養者あり 1350万円
1級・被扶養者なし 1150万円
2級・被扶養者あり 1168万円
2級・被扶養者なし 998万円
3級・被扶養者あり 1005万円
3級・被扶養者なし 861万円
4級 737万円
5級 618万円
6級 512万円
7級 419万円
8級 331万円
9級 249万円
10級 190万円
11級 136万円
12級 94万円
13級 57万円
14級 32万円
【死亡慰謝料】

被害者本人分が400万円、遺族分が550万円~950万円です。

被害者本人分 400万円
遺族分(遺族1人) 550万円
遺族分(遺族2人) 650万円
遺族分(遺族3人以上) 750万円
遺族分(被害者に被扶養者あり) 上記に加えて200万円
被害者本人分 400万円
遺族分(遺族1人) 550万円
遺族分(遺族2人) 650万円
遺族分(遺族3人以上) 750万円
遺族分(被害者に被扶養者あり) 上記に加えて
200万円

例えば、被害者に遺族が3人おり、かつ被扶養者もいる場合、400万円+750万円+200万円=1350万円となります。

(2)任意保険基準

保険会社が独自に定めた賠償基準です。
自賠責基準よりは高くなり、裁判基準よりは低額となることが多いです。
任意保険基準は、保険会社により異なります。

(3)裁判基準

裁判をした場合に用いられる賠償基準です。
3つの基準の中で最も高額となります。

【傷害慰謝料】
原則として入通院期間を基礎として下記の別表Ⅰによります(通院が長期にわたる場合は、症状、治療内容、通院頻度を踏まえ、実通院日数の3.5倍程度を慰謝料算定のための通院期間の目安とすることもあります)。
むち打ちで他覚所見がない場合など軽傷事案では、下記の別表Ⅱによります(通院が長期にわたる場合は、症状、治療内容、通院頻度を踏まえ、実通院日数の3倍程度を慰謝料算定のための通院期間の目安とすることもあります)。

別表Ⅰ(単位:万円)
入院 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月
通院 53 101 145 184 217 244 266 284 297 306
1月 28 77 122 162 199 228 252 274 291 303 311
2月 52 98 139 177 210 236 260 281 297 308 315
3月 73 115 154 188 218 244 267 287 302 312 319
4月 90 130 165 196 226 251 273 292 306 316 323
5月 105 141 173 204 233 257 278 296 310 320 325
6月 116 149 181 211 239 262 282 300 314 322 327
7月 124 157 188 217 244 266 286 304 316 324 329
8月 132 164 194 222 248 270 290 306 318 326 331
9月 139 170 199 226 252 274 292 308 320 328 333
10月 145 175 203 230 256 276 294 310 322 330 335
別表Ⅱ(単位:万円)
入院 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月
通院 35 66 92 116 135 152 165 176 186 195
1月 19 52 83 106 128 145 160 171 182 190 199
2月 36 69 97 118 138 153 166 177 186 194 201
3月 53 83 109 128 146 159 172 181 190 196 202
4月 67 95 119 136 152 165 176 185 192 197 203
5月 79 105 127 142 158 169 180 187 193 198 204
6月 89 113 133 148 162 173 182 188 194 199 205
7月 97 119 139 152 166 175 183 189 195 200 206
8月 103 125 143 156 168 176 184 190 196 201 207
9月 109 129 147 158 169 177 185 191 197 202 208
10月 113 133 149 159 170 178 186 192 198 203 209
【後遺障害慰謝料】

後遺障害の等級により、14級の110万円~1級の2800万円です。

後遺障害等級 後遺障害慰謝料
1級 2800万円
2級 2370万円
3級 1990万円
4級 1670万円
5級 1400万円
6級 1180万円
7級 1000万円
8級 830万円
9級 690万円
10級 550万円
11級 420万円
12級 290万円
13級 180万円
14級 110万円
後遺障害等級 後遺障害慰謝料
1級 2800万円
2級 2370万円
3級 1990万円
4級 1670万円
5級 1400万円
6級 1180万円
7級 1000万円
8級 830万円
9級 690万円
10級 550万円
11級 420万円
12級 290万円
13級 180万円
14級 110万円
【死亡慰謝料】
一家の支柱 2800万円
母親・配偶者 2500万円
その他 2000万円~2500万円
一家の支柱 2800万円 母親・配偶者 2500万円 その他 2000万円~2500万円

上記は一応の目安であり、具体的事情により増減されます。
「その他」とは、独身の男女、子ども、幼児等を言います。

3 保険会社の提示と増額の可能性

保険会社の提示は、自賠責基準または任意保険基準で出してきます。
「裁判基準でなければ納得できない」として交渉することにより、慰謝料を増額できる可能性があります。
ただし、交通事故被害者の方がご自身で交渉していると、保険会社が十分な増額に応じてくることは少ないです。
弁護士に依頼をし、合意に至らなければ裁判を提起するという姿勢で交渉に臨めば、十分な慰謝料の増額を得られる可能性が高いです。

4 弁護士にご相談ください

交通事故の慰謝料・損害賠償についてご不明のこと、お困りのことなどがありましたら、交通事故に詳しい弁護士にご相談いただくことをお勧めいたします。
当事務所では、これまでに、交通事故の被害に関するご相談・ご依頼を多数お受けし、解決に導いてきた実績が豊富にございます。
ぜひ一度、お気軽に当事務所にご相談いただければと存じます。