弁護士山口龍介

賠償額を定めるにあたり、被害者にも過失(落ち度)がある場合には、被害者の過失割合分が賠償額から減額されます。これを過失相殺といいます。

例えば、交通事故の被害で1000万円の損害が発生し、過失割合が加害者80%:被害者20%という場合、損害賠償額は1000万円から20%分を差し引いた800万円が認められます。過失割合の認定基準としては、事故態様を細かく類型化して基準を定めた別冊判例タイムズ№38「民事交通訴訟における過失相殺率の認定基準」(判例タイムズ社)という本があり、示談交渉および訴訟の実務で活用されています。

ただし、この本に記載されたどの類型にも該当しないケース、基準の解釈・当てはめに争いがあるケース、事故状況自体に争いがあるケースなどもあり、この本で全て解決というわけではありません。この本をもとに適正な過失割合を判断するには専門的な知識と経験が不可欠であり、事故状況に争いがある場合には刑事記録を取得して確認・検討することも大切です。

保険会社が提示する過失割合に納得がいかない場合は、交通事故の専門家である弁護士にご相談されることをお勧めします。

交通事故に関するQ&A一覧

No Q&A
1 弁護士に依頼するかどうかで、損害賠償金額が変わってきますか?
2 示談交渉のほかには、どのような解決方法がありますか?
3 まだ治療中ですが、弁護士に依頼するメリットはありますか?
4 後遺障害とは?
5 過失相殺とは?
6 むちうちとは?
7 むちうちは後遺障害になりますか?
8 後遺障害等級の認定を受けると、就職などで不利になりませんか?
9 裁判は依頼者の側も手間がかかりますか?
10 裁判はどのくらい時間がかかりますか?
11 むちうちで後遺障害非該当、14級、12級は、どういう基準で区別されますか?
12 むちうちで後遺障害14級と12級とでは、賠償額にどのくらい開きがありますか?
13 後遺障害等級とは?
14 症状固定とは?
15 保険会社から治療費や休業損害の支払の打ち切りを通告された場合、何か対応策はありますか?
16 休業損害とは?
17 素因減額とは?
18 加害者に弁護士費用を請求できますか?
19 後遺障害による逸失利益とは?
20 後遺障害による逸失利益の計算方法は?
21 労働能力喪失率とは?
22 労働能力喪失期間とは?
23 ライプニッツ係数とは?
24 死亡による逸失利益とは?
25 死亡逸失利益の稼働部分の計算方法は?
26 死亡逸失利益の年金部分の計算方法は?
27 生活費控除率とは?
28 就労可能年数とは?
29 慰謝料とは?
30 傷害慰謝料とは?
31 後遺障害慰謝料とは?
32 死亡慰謝料とは?
33 弁護士費用特約とは?
34 むちうちで画像所見があれば、必ず12級が認定されますか?
35 弁護士に相談・依頼するタイミングはいつがいいですか?
36 加害者に謝罪を求めることはできますか?
37 高次脳機能障害とは?
38 高次脳機能障害の後遺障害等級認定のポイントは?
39 高次脳機能障害のケースで被害者の家族が準備すべきことは?
40 加害者の態度が不誠実な場合には、通常よりも慰謝料が増額されますか?
41 悪質な事故の場合には、通常よりも慰謝料が増額されますか?
42 解決方法としては、示談交渉と裁判のどちらを選択するべきですか?
43 主婦の休業損害・逸失利益は認められますか?