交通事故による損害賠償請求の訴訟では、裁判所の認容額(裁判所が交通事故による損害として認めた金額)の1割程度が、弁護士費用相当の損害として認められます。

ただし、実際にかかった弁護士費用そのものが損害として認められるわけではなく、実際の弁護士費用がいくらであるかにかかわらず、認容額の1割程度と算定されます。つまり、加害者に請求できる弁護士費用は、認容額の1割程度までであり、それ以上かかった場合には、その部分が自己負担になるということです。

なお、訴訟を提起せずに示談交渉で決着する場合、保険会社が1割の弁護士費用分を上乗せして賠償してくれるケースは、まずありません。

以上から、弁護士に交通事故問題をご依頼される際には、弁護士費用がいくらかかりそうか、事前に弁護士に確認しておいた方がよいでしょう。弁護士に依頼して得られた賠償金の増額よりも、弁護士費用の方が高くついたのでは、弁護士に依頼しない方がよかったということになりかねません。物損のみの事故や、軽傷の事故の場合に、こうした費用倒れが発生するおそれがあります。通常の弁護士は費用倒れの可能性の高い事案は引き受けませんが、賠償金の増額を得られそうな見込み額と、弁護士費用の見込み額とを比較して、弁護士に依頼するメリットがあるかどうかを判断することが必要です。

もっとも、被害者の方やそのご家族が加入している任意保険に弁護士費用特約が付いている場合は、保険会社が弁護士費用を負担してくれますので、こうした費用倒れの心配はありません。

交通事故に関するQ&A一覧

No Q&A
1 弁護士に依頼するかどうかで、損害賠償金額が変わってきますか?
2 示談交渉のほかには、どのような解決方法がありますか?
3 まだ治療中ですが、弁護士に依頼するメリットはありますか?
4 後遺障害とは?
5 過失相殺とは?
6 むちうちとは?
7 むちうちは後遺障害になりますか?
8 後遺障害等級の認定を受けると、就職などで不利になりませんか?
9 裁判は依頼者の側も手間がかかりますか?
10 裁判はどのくらい時間がかかりますか?
11 むちうちで後遺障害非該当、14級、12級は、どういう基準で区別されますか?
12 むちうちで後遺障害14級と12級とでは、賠償額にどのくらい開きがありますか?
13 後遺障害等級とは?
14 症状固定とは?
15 保険会社から治療費や休業損害の支払の打ち切りを通告された場合、何か対応策はありますか?
16 休業損害とは?
17 素因減額とは?
18 加害者に弁護士費用を請求できますか?
19 後遺障害による逸失利益とは?
20 後遺障害による逸失利益の計算方法は?
21 労働能力喪失率とは?
22 労働能力喪失期間とは?
23 ライプニッツ係数とは?
24 死亡による逸失利益とは?
25 死亡逸失利益の稼働部分の計算方法は?
26 死亡逸失利益の年金部分の計算方法は?
27 生活費控除率とは?
28 就労可能年数とは?
29 慰謝料とは?
30 傷害慰謝料とは?
31 後遺障害慰謝料とは?
32 死亡慰謝料とは?
33 弁護士費用特約とは?
34 むちうちで画像所見があれば、必ず12級が認定されますか?
35 弁護士に相談・依頼するタイミングはいつがいいですか?
36 加害者に謝罪を求めることはできますか?
37 高次脳機能障害とは?
38 高次脳機能障害の後遺障害等級認定のポイントは?
39 高次脳機能障害のケースで被害者の家族が準備すべきことは?
40 加害者の態度が不誠実な場合には、通常よりも慰謝料が増額されますか?
41 悪質な事故の場合には、通常よりも慰謝料が増額されますか?
42 解決方法としては、示談交渉と裁判のどちらを選択するべきですか?
43 主婦の休業損害・逸失利益は認められますか?
44 交通事故の被害に遭ったら警察に連絡しなければなりませんか?
45 交通事故で怪我をしたら警察に診断書を提出して人身事故扱いにしてもらうべきですか?